プロ野球を放送している時間は子供たちの好きなテレビ番組は見せてもらえなかったので、子供の頃の私にとっては「憎きプロ野球」でした。 小学校の高学年になってソフトボールの授業がありました。 二人姉妹で育った私は、小さな頃にキャッチボールをしたことがありませんでした。 そのソフトボールの授業で初めてグローブを手にはめました。 私は右利きなのでグローブは左手にはめなくてはいけませんが、なにも考えずに右手を入れようとしたら親指の位置が合いません。 「なんかこのグローブおかしいよ」と隣にいたT君に尋ねると「右利きならば左手にはめるんだよ!」と<そんなことも知らないのか?>とまでは言いませんでしたが、あきれ顔で教えてくれました。 もちろん自分の方に飛んできたボールはつかめません。 バッターボックスのどちら側に立っていいのか分からず、フォアボールで塁に出ろと言われてもどちらに走って良いのか分かりません。 そのたびにT君が教えてくれました。 「こんなことなら、ちゃんとプロ野球を見ておけばよかった」と後悔したのを覚えています。 苦手意識はいまだに克服できず、大人になってから草野球に誘われても、かたくなにお断りしています。 T君は今、少年野球のコーチになっています。